意外にもレストランの起源について
考えたことはなかったけれど
それが革命前のフランスの田舎、
と言われたら俄然興味が湧き
美しい映像とめくるめく料理に
誘われてあっという間に見入った
フランス映画、「Délicieux」
まず18世紀終盤の貴族と庶民の生活
対比が鮮やかに描かれているのが特徴で
煌びやかで壮麗な貴族の衣装、
インテリア、調度品などなどよりも
主人公である職人(料理人)の田舎家の
(やがて世界初のレストランになる)
内装、調理場、洋服が圧倒的に
自分好みであることに気づかされます。
道具として使い込まれた
調理器具は、今見るとアンティーク品
そのもので素朴ながら魅力的な上に
職人の制服であるアトリエ服や
ヨーロッパのワークウェア全般が
大好物な私にとって、
仕事着の贅沢なこなれ感に見惚れます。
加えて物語の主役と言ってもいい
自然の恵みを活かした料理の数々は
素材から美しく、チーズやバターの
加工品も輝きに満ちています。
ディテールが好み過ぎて、しばしば
ストーリーに置いて行かれそうになる、
そんな映画に久しぶりに出会いました。