自分が初めてパリへ旅行したのは
確か1990年代の半ばくらいで、
その時を思い出すと、なぜか街並みが
セピア色に思えるのは、不思議なことです。
何もかもが夢心地、見るもの全てに
一番感動したのはあの時で、そういう意味では
ヨーロッパの町並みを見慣れてしまった今
少し寂しい気もするけれど
最近読んだ「ニュクスの角灯」という
漫画では、現代の旅とはがらりと趣の異なる
19世紀のパリを旅する気分を味わえます。
まず、日本からパリまで船や電車を乗り継ぎ
3か月以上かかってしまう気の遠くなる旅、
そこにたどり着いて味わうのは、異国というより
もはや別世界ではなかろうかと想像します。
日本の文化、文明の発展も同時に描かれ
芸術を愛するパリの光と影が切なく
魅力たっぷりに味わえるのは貴重。
和の工芸品、ヨーロッパの舶来品、
モノのルーツや歴史を知ることで
古いモノへの見方も変わる、衣・食・住全ての
雑貨好きにもかなりオススメな作品です。