2019年5月12日日曜日

さようならフェレール

かれこれ10数年前に
初めての海外生活が
フランスで始まり、その当時
自分の孤独を癒してくれたのが

異国に友人もおらず、フランス語も
出来ないでいた私でも楽しめた
全仏オープンテニスの観戦で 

赤土の王者ナダルに勇気をもらい
以降ずっと応援を欠かさない私ですが

次にスペインで住み始めた
ばかりの時、やはり
テニス観戦が異国での寂しさを
癒してくれたのも事実で、

フランスに住む時より親近感を持って
見始めたのが、スペインバレンシア州
アリカンテ出身のフェレール選手。

小柄の体格で、コートの端から端まで
ボールを追い続ける雄姿に
心を打たれ、

温かい笑顔と人柄の良さが
滲み出たインタビューを見るたび、
カリスマとは違った人を引き付ける
魅力にくぎ付けとなったものでした。

そんなフェレールが引退を表明し
最後のバルセロナOP
マドリードOPを見終えたら

心の中が寂しさでいっぱいになり
去り際にコートに置かれた
ヘッドバンドのように
行き場のない喪失感がやってきて

あらためてフェレールが残した
偉業に感動するとともに
彼のテニスの名勝負を心から楽しませて
もらった事を、思い出すのでした。



         Tiiu